脂に注目し、ダイエットの常識をアップデートした金森重樹氏の『ガチ速“脂”ダイエット』が話題だ。GACKTかまいたちの山内健司氏も注目するメソッドに欠かせないのがサプリ。その詳細を直撃した!


◆脂だけでなく、サプリが必要不可欠な理由とは?



金森重樹氏



「何事にも理詰めで当たる」性分で、ダイエットの天敵だと思われていた「脂」に注目。「断糖高脂質食」という驚きのメソッドを確立し、30kgの減量に成功した作家の金森重樹氏は、2年近くたった今もスリムな体形を維持している。


「僕がリバウンド知らずでいられる秘訣は、脂とサプリにあります。食事は一日1.5食、可能な限り糖質をカットし、代わりにたっぷり良質な脂質を摂るのが基本。そこに、食事で補うことが難しいビタミンミネラルをサプリで十分に摂ることが重要なのです」


 ダイエットを理詰めで解析していく中で、金森氏はまず人体でエネルギーが代謝される複雑なメカニズムに着目した。


「例えば脂質は、代謝の過程で補酵素としてナイアシンを必要とします。そこからビタミンB2ナイアシンパントテン酸を補酵素とする回路を経て、ミトコンドリアの中でアセチルCoAというものが生成されます。


 これがさらにTCA回路と電子伝達系を経てATPとなりエネルギー源として消費されていくのですが、その過程で必要なビタミンや鉄分などのミネラルがひとつでも欠けていると、このステップが先に進まない。


 これを『質的栄養失調』と呼びます。この状態だとエネルギー代謝がうまく回らず、結果痩せられない」


◆何がどれだけ必要かをまず調べると効率が良い
 エネルギー回路をスムーズに回すために金森氏が毎日摂取しているサプリは、ビタミンA、B群、C、D3K2、E、ナイアシン、亜鉛、マグネシウム、キレート鉄、オメガ3など。詳細は文末にまとめるが、これらは個人差が大きいため、何がどれだけ必要かをまず調べると効率が良い。


「血液検査も良いですが、僕は定期的にオリゴスキャンという検査で体内のミネラル量を測定しています。どのミネラルが欠乏しているかが、一目瞭然になるので非常に参考になりますね」



手のひらをスキャンすることで体に含有されている重金属の偏りを測定できるオリゴスキャン。一回2万円前後で測定可



 今年1月に金森氏が測定した結果を見ると、多くがやや不足の状態にあるが、特に亜鉛が不足していることがわかる。


「意識してサプリを摂取している僕でも、まだまだバランスが悪い。長年の不摂生の蓄積は、一朝一夕では改善されないことを痛感しています」


 サプリは飲む量も大事で、「ドーズレスポンス」という重要な概念があると説く金森氏。要はサプリが効果を発揮するには一定量を飲まなければ意味がない、ということだ。


「仮にサプリが効果を発揮する量が100だとしたら、99飲んだとしても効果を得ることはできません。100という至適量を超えて初めて意味があるのです」



サプリを服用するうえで最初に理解すべきが、このドーズレスポンスという概念。「至適量に足りなければそれは飲んでいないことと一緒」(金森氏)になるため、摂取量には十分気を配る必要がある



◆海外製の商品を愛飲する理由とは?



写真はイメージです



 サプリはメーカー選びも重要。金森氏は決まって海外製の商品を愛飲する。


「国産のサプリは含有量が少ないため、摂取目安量と表示されている分量では至適量を全く超えられません。特に国産のマルチビタミンなどは質、量ともに話にならないので、僕はナウフーズなど海外のもので揃えています。


 ビタミンCはサプリに加え粉末のものを調味料として使用することで毎日30gは摂取していますし、オメガ3はカプセルが大きくて飲みづらいので、レモン風味のフィッシュオイルを活用。大量に摂取するためにさまざまな工夫をしています」


 逆に、摂取しすぎるということはないのだろうか?


ビタミンCやB群といった水溶性のものは摂取しすぎても尿から排出されるので、問題ありません。僕はトイレに立つたびに一日中飲んでいます。ただ、脂溶性ビタミンであるA、D、E、Kは、摂取後しばらく体内に貯蔵されるので、一日一回、様子を見ながら飲む量やタイミングを決めていきました。


 よく『どのサプリをどれだけ飲めばよいのかわからない』という質問を頂きますが、これは自分の体質や調子に合わせて調整するしかありません。減量がスムーズにいかない理由も、どのビタミンミネラルが欠乏しているかも、千差万別だからです」


◆自分にどのサプリが必要かを見極めるところから始めよう
 “#金森式”を始めるうえでもうひとつ覚えておきたいのが、「ケトフルー」という症状だ。糖分を断ち脂質をエネルギーに切り替えることで余分な内臓脂肪を効果的に燃やした結果、体重が劇的な速度で落ちるのだが、一時的に倦怠感や頭痛に悩まされることがある。この副反応はつきもので、これを解決するにもサプリが必須だ。


「体調不良は糖中毒からの離脱症状。効果が出てきている証拠です。水分とともにしっかりビタミンミネラルを補給してみてください。また、ケトフルーとは違い、サプリの大量摂取で吐き気を伴う気持ち悪さを感じるという人もいます。


 こうした人は、胃の糖化とタンパク質不足が考えられます。残念ながら、その状態ではどんなにサプリを飲んでも吸収されていない可能性が高い。血液検査でBUN(尿酸窒素の値でタンパク質の充足指標)を測定するといいでしょう」


 血液検査とオリゴスキャン。まずは自分にどのサプリが必要かを見極めるところから始めたい。


◆目指せ完コピ!金森氏の愛飲サプリ一覧
ビタミンC(1日複数回)
美肌効果で知られるビタミンCだが、総合的な健康維持、体調管理に欠かせない栄養素なのでしっかり摂りたい


ビタミンB-50(1日複数回)
ビタミンB1、B2、B12、葉酸、ビオチンなど健康的な代謝の維持に必要なビタミンB群がまとめて摂取できる


ビタミンD(1日1回)
紫外線によって皮膚で生成されるが、日焼けを避ける現代人は不足しがち。カルシウムの吸収にも必須


ナイアシン(1日複数回)
ビタミンB3の総称であるナイアシン初心者は強烈なかゆみや火照りを伴うナイアシンフラッシュに注意


マグネシウム(1日複数回)
マグネシウムカルシウムとのバランスが重要で、現代人は不足しがち。意識的に飲むようにしよう


オメガ3(1日複数回)
体内に炎症が起きるとビタミンミネラルがそちらに奪われてしまうため、炎症を抑えるオメガ3も多めに服用


◆「断糖高脂質食」で集中力アップ! 九大医学部に見事合格
 Twitterのフォロワー数は12万人を超え、着々と全国に広がりを見せる金森式。


 九州在住の実践者のもとで、見事な桜が咲いたとの知らせが届いた。



旧帝大医学部という最難関を突破した息子は、食生活を通して予防医学に興味を持つように。面接でもその点をアピールした



 ’20年の9月に金森式ダイエットを開始した50代の女性MIKIさんは、開始2か月で10kgの減量に成功する。自身の成功で金森式の威力を確信したことで、大学受験を控える息子の食事にも断糖高脂質を取り入れたのだという。


「お肉や魚を焼くにしろ煮るにしろ、基本的には塩や魚醤で調理していただくように徹底すること。また卵と塩だけで作る断糖ワッフルベースアボカドにすることで、飽きることなく68kgあった体重が58kgまで減り、BMI20で安定するようになりました。


 糖を断つとこんなにも体調がよく、頭がスッキリするのだとわかり、食事とサプリを息子にもすすめ、ビタミンC、B-50、E、D3‌、K2、キレート鉄、ナイアシンマグネシウム、カルニチンを毎日朝、昼、晩に分けて飲むようになりました」


◆授業や勉強への集中力が格段にアップ
 それまで十分な睡眠を取っていても、午前中や食後に眠気に襲われていたという息子だが、食事に金森式を取り入れ始めると食後に眠くなることがなくなり、授業や勉強への集中力が格段にアップした。


「これまでは勉強に疲れると、脳のために甘いものを補給したほうがいいと、チョコレートなどのお菓子をすすめていたのですが、断糖高脂質食に切り換えてから『授業中の態度が変わった』と教師が驚いていました。


 また、受験勉強の息抜きがてら金森さんがおすすめしていた映画『あまくない砂糖の話』を一緒に観たのですが、なんと共通テストの英語の問題に映画の内容が出題され、過去最高点を取ることができたんです!」


 かくして、息子さんは念願だった九州大学医学部に見事、合格した。



合格祝いに家族で焼き肉に行き、和牛に舌鼓を打ったというMIKIさん。「もちろんタレとご飯は一切排除し、塩で頂きました」



 もちろんそれまでの本人の努力の結果ではあるが、金森式はダイエットだけでなく、集中力向上にも効果があると実証されたのだ。


【金森重樹氏】
作家。独自のダイエット理論を唱えた『ガチ速』シリーズ続編となるレシピ本も発売中。Twitter@ShigekiKanamori


<取材・文/仲田舞衣 撮影/湯浅立志 図版/ミューズグラフィック



金森重樹氏


(出典 news.nicovideo.jp)


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